ヨガの経典が説く、心のバランスを保つための4つの方法とは?
また、コロナウィルスが流行ってきましたね。慣れないコロナ禍で、心のバランスを崩す方も多いとか…。今回も経典から、役立つスートラをピックアップしてご紹介します。
▪️ヨーガ・スートラ 1章33節
मैत्रीकरुणामुदितोपेक्षणां सुखदुःखपुण्यापुण्यविषयाणां भावनातश्चित्तप्रसादनम्
maitrī karuṇā mudito-pekṣāṇāṁ-sukha-duḥkha puṇya-apuṇya-viṣayāṇāṁ bhāvanātaḥ citta-prasādanamマインドの不動の穏やかさ(チッタプラサーダナン)は、幸福な人には友愛を、悲しみにくれる人には思いやりを、高徳の人には喜びと感謝を、不徳の人には無関心の態度で接することによって叶う。
— パタンジャリ
一見難しそうにみえますが、パタンジャリさん曰く、チッタプラサーダナンを叶えるには、4つのことを実践すれば良いらしいです。それでは、順番にみていきましょう。
1. 幸福な人には友愛を(スッカ/幸福)
いつも幸せな人は、幸せになるための、そして幸せであり続けるための秘訣を知っています。しかし、ほとんどの人が、幸せな人を前にして、嫉妬心を抱いてしまったという経験があるはず。これでは、もっと不幸になってしまいます。
幸せそうな人を見つけたら、友達になりましょう。
2.悲しみにくれる人には思いやりを(ドゥッカ/不幸)
ここで大切なのは、不幸せな人を助けようとして、その人の問題をいつの間にか自分の問題にしないこと。自分自身が辛くなったり、日常生活に支障が出てしまっては、本末転倒です。
不幸せそうな人には、思いやりの態度で、愛をもって接します。
さてここで一旦、振り返ってみましょう。
スッカと友達になることで、幸せになる秘訣を学ぶことができるというお話でしたね。ということは、誰かを幸せにしたかったら、自分自身がスッカでいるということが大切です。
それでは、続きを。
3.不徳の人には無関心の態度で接すること(プンニャ/高徳)
私たちはつい、妬んだり、その背後に悪い意図があるのでは?と、高徳な人を勘ぐったりしがちです。では、どのようにするとよいのか?
① 行いそれ自体とその人の意図、また、心のあり方に感謝と称賛をすること。
② その人が、今後も社会に貢献し続けられるよう、心身の健康と平安を祈ること。
③ 時間・お金・心身が許す範囲で、その人の活動を手伝うこと。
上記を行うことで、善意と徳に気付くことができ、それらに感謝することができるようになります。また、②や③のステップに進むことができたなら、自分自身がプンニャであるということにもなります。おめでとうございます!
社会に対して善い行いをしている人に出会ったら、感謝をしましょう。
4.不徳の人には無関心の態度で接すること(アプンニャ/不徳)
ここでいう無関心とは「居心地の悪さや不利益をもたらす相手には、しかるべき対処をして、チッタプラサーダナンを保つ」という意味合いです。では、どのようにするとよいのか?
① 相手がなぜそれをするのか?という理由を考えてみること。
② 適切な方法で対処できそうでれば、対処をとること。
③ 対処法が見当たらなければ、少し(心身の)距離を置くこと。
いずれの種類でも、相手の行動の理由を考えて、状況を正しく見極める。そして「気にしない」や「しかるべき対処をとる」など、自分の身の振り方についても正しく選択する必要があります。ここでも、相手の心身の健康と平安を祈るようにしましょう!
居心地の悪さや不利益をもたらす相手には、無関心の態度で接しましょう。
私たち自身がプンニャを積み、スッカであり続けることで、直接的もしくは間接的に、ドゥッカやアプンニャを手助けすることができます。すると、自ずとチッタプラサーダナンの輪も広がっていきます。
このように、ヨーガの教えは、私たちの日常生活に役立つことがたくさん!今回のトピックも、心当たりのある方が多かったのではないでしょうか?直ぐに実践することは難しいかもしれませんが、知っているのと、いないの、とでは大きく変わってきます。人生でこのような状況に出くわした時、ふと思い出していただけると嬉しいです。